課題の”コミュニケーション能力”を乗り越えたその先に
――現在は、多くのお客様のトレーニング指導をされておりますが、パーソナルトレーニングを指導する上で大切にしていることはございますか?
私はとにかく内弁慶で、お客様とのコミュニケーションがうまく取れず苦労しました。養成時代にも講師の佐久間先生から「人見君は暗い!」と喝を入れてもらいその時に接客業の基本を感じさせていただきました。今では、何気ない会話からアドバイスなどすることができ、お客様から「最近調子が良い」と嬉しい声を掛けていただけるようになり、定期的にトレーニングに来てくださるようになりました。トレーナーとして、もともと苦手だったコミュニケーション能力の向上をすることで、お客様からの信頼も勝ち得ています。あの時の佐久間先生のお言葉は今でも忘れない大切なものですね。
▼教材のモデルとしても出演して頂き、JHCA講師陣からの信頼も厚い人見さん▼
JHCAの知識の中でも、私が一番大切にしていることは、
・お客様によって同じトレーニングでも効果の出方が違うこと。
・多角的に見て的確にメジャーポイントを見つけること。
このふたつです。トレーニング指導をするうえで、日によって効果の違いが有ったり、人によって効果の違いが有ったりと、頭を悩ませています。でもこの二つの約束は私にとってとても大切で、毎回肝に銘じてトレーニング指導をしています。また、お客様との会話の中にヒントがあることもたくさんありました。
――メジャーポイントやトレーニングの特異性などはとても大切ですよね。常に向上心を持って活動を続けられていることと思いますが、今後はどのようなトレーナーになりたいですか?
先程もお話させて頂きましたが、身体の不調には様々な原因があります。お客様が、自身の身体を知ることで改善出来ることがあるかもしれないと希望を持ってトレーニングができるようになってもらえたら嬉しいです。
約15年前の高校時代、私の周りにはストレングスやコンディショニングに詳しい方がおらず、腰痛や膝痛を抱えながら指導者に言えずに痛みを我慢しスポーツをしていました。身体の学習をしていくなかで、大人の方や高齢者の方も腰痛や膝痛に悩まされていることや、介護受ける人・介護をする人の多さを実感し、皆が健康で元気になれば島がもっと発展するのではという思いからトレーニング指導に携わることを決心しました。
自分がやらなければ島民の健康は守れない!
――現在は、どのような活動をされていますか?
私は、BuilPani(ビルパニ)というジムを石垣島に立ち上げました。石垣島に関わる全ての方を健康で元気にするために日々活動しています。そして島民の皆様が1日でも長く自立した生活を送ることができるように、心身共に健康で豊かな人生を過ごして頂く事を目標にしております。そうすることで介護を受ける人・介護をする人の減少に繋がり、少子高齢化で働き手が少ない世の中でも健康な人が増えることで経済発展に寄与できると考え、日々の運動指導やトレーニング指導を行っております。社外での活動としては様々な企業や行政機関などの依頼で健康講話や体操教室なども実施しております。
――BuilPaniをオープンした際のエピソード等ございましたらお教えください。
2017年の4月に15坪程のジムをオープンしました。きっかけは冒頭から話している理念や活動方針のことについてですが、勝手に自分がやらなければならないと宿命感を抱き、開業を決意しました。(笑)
今考えるとゾッとしますが、当時は当然ながら経営ノウハウは全くのゼロで、勢いと情熱と勝手に背負った宿命感だけで1000万円を国の金融機関から借りました。今考えると、実績も経営経験もなくよく貸しててもらえたなと思います。開業から一年半が経ち、ありがたいことに会員様も120名を超えいよいよ手狭になり拡大移転を決意しました。50坪まで規模を拡大したものの、一年立たずしてコロナ禍に突入。当初はフィットネス施設も悪者扱い・3密場所だと報道されたことは皆様の記憶にも残っていることでしょう。弊社はたとえ数名でも利用者がいる限り通常営業することを心に決めましたが、狭い島のなかで様々なデマや誤った情報拡散により、外部からの嫌がらせやイタズラ電話、利用者の見張りなどの連続で、閉店の危機にも危ぶまれました。開け続けるという選択をしたのに、社会情勢から会費を数ヶ月間徴収しないという決心をしました。この一連のことが起きた瞬間に閉店どころか今の倍の店舗を構えようと決心し、コロナ禍中の2020年10月に2階建てで倍以上の規模の店舗にリニューアル拡大移転をすることが出来ました。現在人口5万人の市で500名の会員様にご利用いただいております。今後も沢山の方の健康を支え続け、健康の島、石垣市を盛り上げて行きたいです。
――熱意や想いで突っ走ったことと思いますが、現在ではきちんとターゲットにアプローチをするための経営も学習されており、私たちも勉強させて頂きたいです。今後どのようなトレーナーを目指しますか?
今もこれからもこの業界にゴールはないと考えております。見たものや聞いたことだけを鵜呑みせずに、自分の頭で考え、身体で感じ、自らの思考を働かせ一人一人のお客様が目的とすることにおいて応援することができるトレーナーでありたいと考えております。お客様の一番の味方となってサポートしていくことで、少しでも多くの人の元気な身体づくりのお手伝いができることに喜びを感じて活動を続けていきたいです。
――最後にトレーナーを目指す方、JHCA会員の皆様に向けてメッセージをお願いいたします。
JHCAでは、専門学校で習ったことをより深く学べ、まさに痒いところに手が届くような感覚があります。これまではなぜ腰が痛いのか、膝が痛いのか、分かっていてもお客様に言葉で説明できる技術がなかったのですが、JHCAで学習をしてからは、これらのことをお客様に分かりやすく的確に説明できるようになりました。また、動作の分析や学校で習った以外のより深い栄養学に関しても学ぶことができ、非常に幅広い指導ができるようになりました。まだまだ知りたいことがたくさんございますので、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
――現在は、スタッフを教育しつつ、規模を広げていると思いますが、JHCAの知識で勉強になったことはございますか?
私にとってJHCAは、原点にして頂点です。私の出来る事の大半は先生方から教わりました。本当に全てと言っても過言ではないです。知見を広げようと他のセミナーや書籍を読んだりしますが、結局JHCAに辿り着きます。
当時は理解出来なかったことが、3年後くらいに現場でハッと腑に落ちる事があります。懐の深い勉強で生涯をかけて、なるべく多くの事を学びたいと考えています。
私の育成しているスタッフは、まずJHCAの資格を取得することが最初の課題になります。スタッフ研修としても、JHCAを活用させて頂いておりますので、知識に偏りがなく安心してトレーナーとして活動して頂けます。
今の知識やスキルでは改善しきれないお客様のために勉強し続けることは当然ですが、1人では死ぬ気で働いて100人のお客様を担当するのが限度だと感じています。私は、50人を対応出来るトレーナーが10人スタッフにいた方が社会に貢献出来ると考えているため、より多くの愛のある優秀なトレーナーを集め、より深く育成をして組織として活動していけたらと思います。
――JHCAに通って下さるスタッフも、人がいい方ばかりで、重信さんの教育がしっかりできているのが伝わってきます。最後に、これからトレーナーを目指す方、そしてJHCA会員様に向けて何か伝えられることはございますか?
ここまで直接””ありがとう””と言われる仕事は他にないと思います。根の深い痛みや悩みが改善していき、お客様のその後の人生が良い方向に向かっていくときが、何事にも変え難い喜びがございます。こんなに素晴らしい仕事はないので、これからトレーナーを目指す方は是非一緒に勉強しましょう!会員様には釈迦に説法で恐縮ですが、圧倒的なリピートや競合との差別化にはJHCAの勉強は必須だと思っています。ほぐすだけではなく、伸ばすだけではなく、ただ鍛えるだけではなく、包括的にお客様をトータルでサポート出来ることが1番の強みだと考えております。今後もセミナーでお会いする機会があると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。